コラム
ハンディ型3Dスキャナーのメリット・デメリットや選び方を紹介
製造業でのリバースエンジニアリングや文化財の保護などで脚光を浴び始めている「3Dスキャナー」。
昨今、3Dプリンターの台頭とともにめざましく発展している機器です。
3Dスキャナーがあれば、これまで不可能であった複雑な立体物の測定や検査が可能になるため、今後も幅広い分野での活躍が期待されています。
そんな3Dスキャナーの中には、固定式やハンディタイプなど、さまざまな形式のものが存在しますが、今回はハンディタイプのものに焦点をあて、その特徴やメリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。3Dスキャナーの導入を検討している、どのタイプのスキャナーを選ぼうか悩んでいるという方は、参考になさってください。
目次
ハンディタイプ3Dスキャナーの特徴

ハンディタイプの3Dスキャナーとは、その名の通り、手に持って対象物をスキャンできる、比較的小型のスキャナーのことです。
ハンディタイプの3Dスキャナーの一番の特徴として挙げられるのは、固定式やアーム式のスキャナーと比較して、より大きなサイズの対象物をスキャンすることができるという点でしょう。
ハンディタイプの3Dスキャナーでスキャンする際には、位置合わせを行うためのマーカー、もしくは対象物の凹凸形状が必要となります。
このマーカーや凹凸形状を読み取りながらつなぎ合わせを行なっていき、大きな対象物をスキャンすることが可能となるのです。
ハンディタイプ3Dスキャナーのメリット

ハンディタイプの3Dスキャナーには、多くのメリットが存在します。
ここでは、特筆すべき3つのメリットについてご紹介いたしますので、ハンディタイプ3Dスキャナーについて理解を深めましょう。
スキャン状況がリアルタイムにわかる
リアルタイムにスキャン状況がわかるタイプのハンディスキャナーでは、スキャンしている最中にスキャン漏れしている部分がわかります。
そのため、即時にスキャン漏れしている部分を埋めることができる点がメリットと言えるでしょう。
すぐに抜けている部分を修正できるため、スキャン後にデータを整える手間を削減することができます。
比較的安価
ハンディタイプの3Dスキャナーは、比較的安価であることもメリットの一つです。
例えば、固定式3Dスキャナーの場合は100万円以上するものが多い中で、ハンディタイプの3Dスキャナーは100万円以内のものもあります。
初期費用を抑えて3Dスキャナーを導入したい場合におすすめです。
ただし、固定式3Dスキャナーとハンディタイプ3Dスキャナーとではスキャンの得意分野が異なるため、何のために導入するのかよく検討する必要はあるでしょう。
操作が簡単なものが多い
固定式のスキャナーは業務用としてスキャンするための初期設定等のオペレーションに手間がかかることが多いですが、ハンディタイプの3Dスキャナーは比較的操作が簡単なものが多く、はじめて3Dスキャナーを取り扱う方でも気軽に操作することが可能です。
仮にハンディタイプの3Dスキャナーをうまく使いこなせない……という場合でも、プロに問い合わせることで解決する場合があるため、スキャナーを購入した業者や、スキャナーに対する知識が豊富な企業に、扱いのコツをヒアリングするのも良いでしょう。
大きな対象物をスキャンできる
「特徴」の項目でも少し触れましたが、ハンディタイプの3Dスキャナーは、大きな対象物を読み取ることができるというメリットがあります。
通常測量調査は、2人以上の調査員が現場で短辺計測し、測量点と手描きスケッチを見比べ、一点一点、照合しながら現況図を作りますが、ハンディタイプの3Dスキャナーは、短い時間で現場を360度スキャン。
記録したデータを持ち帰り、パソコン上でスキャンした画像から採寸、現況図を作成することができるのです。
ハンディタイプ3Dスキャナーの種類別価格相場

個人ユーザー向けスキャナー
個人ユーザーや趣味、教育用途で選ばれるエントリーモデルの価格相場は、約10万円〜50万円程度です。この価格帯のスキャナーは、主にフィギュアの造形や簡単なリバースエンジニアリング、教育現場での3D教育などに活用されます。かつては精度面で課題がありましたが、近年の技術向上により、10万円台でも実用的な形状取得が可能なモデルが増えています。ただし、金属光沢のある物や黒い物体のスキャン、ミクロン単位の精度が求められる工業計測には不向きな場合が多く、用途を見極めて選定することが重要です。
中級者用モデル
ビジネスでの導入や、より精度の高いデータ取得を目的とする中級者用モデルの相場は、約50万円〜200万円程度です。このクラスになると、産業用カメラや高精度な光学系が搭載され、製造業での試作確認や文化財のアーカイブ、医療現場での採寸など、幅広い業務利用に耐えうる性能を備えます。エントリーモデルに比べてスキャン速度が速く、大型の対象物でも安定して計測できるのが特徴です。また、ソフトウェアの機能も充実しており、スキャン後のデータ補正や、簡易的なCAD比較などが行える製品もあります。
ハイエンドモデル
製造現場での品質管理や、航空宇宙・自動車産業などの厳しい精度が求められる環境で使われるハイエンドモデルは、200万円〜500万円以上、最高峰の製品では1,000万円を超えることもあります。この価格帯は「メトロジーグレード」と呼ばれ、0.05mm以下の高精度と、数百万ポイント/秒という圧倒的なスキャン速度を両立しています。光沢物や黒色のワークもスプレーなしで測定できる強力なレーザー光源を搭載しており、数メートル規模の大型構造物から微細な部品まで、信頼性の高いデータを短時間で取得することが可能です。
価格帯別のおすすめ製品
3Dスキャナーは、予算だけでなく「何を・どの程度の精度で・どこで計測したいか」という目的によって最適な機種が異なります。ここでは、SHINING 3Dの最新ラインナップから価格帯別のおすすめ製品を紹介します。
100万円台のハンディタイプ3Dスキャナー
この価格帯では、特定の用途に特化したワイヤレスモデルや医療向けモデルが注目されています。

EinScan Rigil Pro
PCやケーブルに縛られない完全ワイヤレスのスタンドアロン型スキャナーです。デバイス単体でスキャンから処理まで完結し、0.05mmの最高精度を誇ります。自動車のエンジンルームや屋外の文化財など、取り回しの良さが求められる現場に最適です。

EinScan Medixa
義肢装具などのヘルスケア分野に特化したモデルです。人体スキャンに最適化されたアルゴリズムと、非接触・安全な光源を採用。短時間で正確な身体データを取得できるため、医療器具のパーソナライズ化に大きく貢献します。
200万円~500万円のハンディタイプ3Dスキャナー
産業用として最も汎用性が高く、品質検査から設計変更まで幅広く対応できるモデルが揃っています。

FreeScan Combo+
ブルーレーザーとVCSEL(赤外線)のハイブリッド光源を搭載した、重さわずか620gの軽量スキャナーです。0.02mmの計測精度を維持しつつ、マーカーレスでの高速スキャンも可能。自動車部品の検査や精密部品のデジタル化など、屋内外を問わず高精度な結果を求められるシーンに適しています。

EinScan Libre: 本体にタッチスクリーンを内蔵したPC不要のスキャナーです。ケーブルの干渉がないため、高所や狭い工場内での作業効率が飛躍的に向上します。直感的な操作で、誰でもプロレベルのデータ取得が可能です。
500万円~のハンディタイプ3Dスキャナー
最高水準の精度と再現性を求める、プロフェッショナルな計測業務向けの最上位モデルです。

FreeScan UE Pro2
計測器レベルの精度を誇るポータブルスキャナーの決定版です。前世代からスキャン速度がさらに向上し、ワイヤレスモジュールによるシームレスなデータ転送を実現。大型のワークや複雑な構造物でも安定した結果が得られるため、厳格な品質管理体制が求められる大手メーカーにも導入されています。

OptimScan Q12
圧倒的な解像度と精度を持つ工業用3Dスキャナーです。複雑な形状や微細なディテールを忠実に再現することに長けており、ワンクリックでの範囲切替や自動検査システムとの連携にも対応。リバースエンジニアリングや、金型の精密な寸法検証に不可欠な一台です。
ハンディタイプ3Dスキャナーの主な活用方法

ハンディスキャナーのメリットと活用事例
ハンディタイプ3Dスキャナーを導入する最大のメリットは、「機動力」と「リアルタイム性」にあります。据置型では困難な大型構造物の裏側や、狭い隙間なども、スキャナーを手に持って移動しながら自由に計測できます。また、PC画面上でスキャン状況をリアルタイムに確認できるため、データの欠損をその場で防げる点も大きな利点です。
活用事例:大型アルミ金型の測定
例えば、自動車部品などを成形する大型のアルミ金型は、手作業によるノギスやマイクロメーターでの計測では、複雑な曲面の寸法を正確に把握するのに膨大な時間を要します。
ハンディスキャナーを活用した場合、金型全体を数分でスキャンし、取得した3Dデータと設計CADデータを重ね合わせることで、数ミリ単位の誤差をカラーマップ(色別表示)で可視化できます。これにより、摩耗箇所の特定や修復の判断が迅速かつ正確に行えるようになり、メンテナンスコストの削減と品質の均一化を同時に実現しています。
貴社に最適な3Dスキャナー選びなら、日本3Dプリンター株式会社にお任せください!

ハンディタイプの3Dスキャナーには、メリットもデメリットも存在します。
それらを理解した上で、どういった対象物をどのようにスキャンするかという目的を明確にすることが重要になるのです。もちろん、3Dスキャナーの導入ははじめてという方にとっては、たとえスキャンする対象物が決まっていたとしても、カタログの性能だけでどのスキャナーが最適かを導き出すのは困難でしょう。
日本3Dプリンター株式会社には、3Dプリンティングはもちろん、3Dスキャニングにも精通したプロが多く在籍しております。
貴社の課題をともに探り、最適な3Dスキャナーの提案で、貴社のビジネスを強力にサポート。
3Dスキャナーの導入を検討されている方は、ぜひ、日本3Dプリンター株式会社へお気軽にご相談ください。以下バナーから、おすすめの3Dスキャナー情報をチェックしていただけます。こちらも合わせてご覧ください。



