コラム
業務用3Dスキャナーの選び方と活用方法 おすすめの機種、活用事例を解説
現代社会における様々な業界に数多く存在する課題を解決する手段のひとつとして、今、業務用3Dスキャナーが大きな注目を集めています。対象物を非接触でスキャンし、高精度な3Dデータを取得できるこの技術は、設計、開発、品質管理から文化財の保存、医療、エンターテインメントまで、あらゆる業界でその活用範囲を広げています。
しかし、いざ導入を検討しようにも、 最新技術に対する漠然とした悩みから、最初の一歩を踏み出せずにいる方も多いことが現状です。
本コラムでは、業務用3Dスキャナーの導入で失敗しないために、押さえておくべき選び方のポイントから、具体的な業界別活用事例、そしてプロの視点で厳選したおすすめの最新機種4選まで、専門的な知識を分かりやすく徹底解説します。
業務用3Dスキャナーとは

業務用3Dスキャナーとは、現実世界の物体が持つ形状を、コンピューターで扱える高精度な3次元のデジタルデータ(3Dデータ)に変換するための専門的な装置です。
対象物に触れることなく、レーザー光や特殊な光を照射し、その反射を捉えることで、物体の表面形状を無数の点の集合体(点群データ)として取得します。このデータを元に設計、解析、検査など様々な用途に活用できる3Dモデルを作成します。
近年ではスマートフォンアプリや数万円で購入できる個人向けの3Dスキャナーも登場していますが、業務用スキャナーとは明確な違いがあります。その違いは主に「精度」「速度」「安定性」そして「価格」です。
業務用3Dスキャナーの選び方を解説

多種多様な業務用3Dスキャナーの中から自社に最適な一台を選ぶには、いくつかの重要な観点から要求を整理することが不可欠です。以下の4つのステップで検討を進めることで、導入後のミスマッチを防ぎ、投資効果を最大化することができます。
測定対象(ワーク)から絞り込む -【何を】測るか?
まず、スキャンの主役である「対象物」の特性を明確にします。これにより、必要なスキャナーの基本的な性能が決まります。
- ・サイズ:対象物のサイズによって、選ぶべきスキャナーの形態が大きく変わります。
- ・要求精度・解像度:製品に求められる公差や、表面の微細な模様を再現する必要があるかを確認しましょう。
- ・材質・色:対象物が光沢のある金属や、黒色の樹脂など特定の条件においてはそれ以外の材質と比べてスキャンが難しい素材です。そういった材質のスキャンを目的とした場案、搭載されている光源の選定が重要になります。
使用環境と運用方法から選ぶ -【どこで・どのように】使うか?
次に、スキャナーを「どのような環境」で「どうやって使うか」を具体的にイメージします。
- ・測定場所:測定対象を測定室などの特定の場所に持ち込むことが可能なら、安定した精度が出せる据え置き型が適しています。持ち運べない、あるいは工場内や屋外で使いたい場合は、ハンディタイプが必須となります。
- ・運用方法:測定は特定の担当者が行うのか、複数人か。誰でも簡単に使える操作性が求められるのか。将来的にロボットと組み合わせて自動検査を目指すのか。これらの運用イメージが、選ぶべき機種やシステム構成を左右します。
活用目的とソフトウェアで決める -【なぜ・どうやって】活用するか?
スキャナーは、取得したデータを活用して初めて価値を生みます。ハードウェアと同じくらいソフトウェアが重要です。
- ・主な目的:スキャン後の3Dデータの活用方法を明確にしましょう。目的に合わせて適切なソフトウェアの導入が必要なケースが多いです。
- ・システム連携:現在お使いのCAD/CAMソフトとスムーズにデータ連携できるか、対応ファイル形式などを必ず確認しましょう。
予算とサポート体制で最終決定する -【いくらで・誰と】進めるか?
最後に、現実的な導入計画を立てます。
- ・予算:本体価格だけでなく、ソフトウェアのライセンス費用、年間保守費用、トレーニング費用まで含めたトータルコストで判断することが大切です。
- ・サポート体制:業務用機器は、導入後のサポートが非常に重要です。操作トレーニング、技術的な問い合わせへの対応、万が一の故障時の修理体制など、信頼できる販売代理店をパートナーに選ぶことが、長期的に見て成功の鍵となります。
予算先行の検討になってしまうことも多いかとは思いますが、上記の手順を踏んで検討することで目的を見失わない効果的な機種検討が実現できます。
【用途別】おすすめの業務用3Dスキャナー4つ紹介
これまで解説してきた選び方のポイントを踏まえ、いよいよ具体的なおすすめ機種をご紹介します。
ただし、繰り返しになりますが、「すべての人にとって完璧な一台」というものは存在しません。 最適なスキャナーは、貴社の測定対象、目的、使用環境、そして予算によって全く異なります。
ハンディタイプ:FreeScan Combo+
高性能と携帯性を両立した、メトロジー(精密測定)のスタンダード
FreeScan Combo+は、ブルーレーザーと赤外線VCSELのハイブリッド光源を搭載した、小型かつ軽量なハンディ型3Dスキャナーです。0.02mmの極めて高い精度を維持しつつ、片手で扱える操作性を実現しており、場所を選ばず高精度なデータ取得が可能です。
推奨用途
・工業・製造: 複雑な形状を持つ自動車部品や機械部品のデジタル化
・品質検査: 製作物と3D CADデータの比較による寸法公差の検証
・リバースエンジニアリング: 図面のない古い金型や試作品の3Dデータ復元
製品の強み
・高精度測定: 計測グレードの精度(最高0.02mm)を誇り、厳密な検査に対応。
・幅広い素材適応: ブルーレーザーにより、光沢のある金属面や黒色素材もスプレー不要でスキャン可能。
・マーカーレス対応: 赤外線モードを使用することで、マーカーを貼れない対象物もスムーズに計測できます。
固定式:OptimScan Q12
微細な部品から中型ワークまで、最高峰のディテールをキャプチャ
OptimScan Q1は、高解像度カメラとブルーライト・スキャン技術を組み合わせた固定式3Dスキャナーです。自動回転テーブルとの連携により、クリック一つで全周囲を精密にデータ化。ハンディタイプでは難しい、非常に細かなテクスチャや微小なエッジの再現に長けています。
推奨用途
・精密検査: 電子部品、小型プラスチック成形品のバッチ検査
・リバースエンジニアリング: 微細な彫刻や複雑な意匠を持つ部品の忠実な再現
・医療・歯科: 補聴器や歯科模型など、高い寸法精度が求められるカスタム製品の製作
製品の強み
・圧倒的な解像度: 500万画素のカメラを搭載し、細部のディテールを極めて鮮明に撮影可能。
・高精度・安定性: 固定式のため手ブレの影響を受けず、再現性の高い測定結果が得られます。
・自動化対応: ターンテーブルとの連動により、誰でも短時間で一貫した精度のスキャンが可能です。
トラッカータイプ:FreeScan Trak Nova
マーカー貼付の工数をゼロに。大型構造物のためのダイナミック計測
FreeScan Trak Novaは、光学トラッカーを用いてスキャナーの位置をリアルタイムで追跡するシステムです。ワークにマーカーを貼る必要がなく、航空機、鉄道、風力発電のブレードといった超大型の対象物を効率的に、かつ高い容積精度で測定することができます。
推奨用途
・大型・重工業: 航空機の機体、船舶エンジン、大型鋳造品の形状測定
・生産ラインでの検査: マーカー貼付・除去の時間を短縮したい量産現場の抜取検査
・インフラ点検: 橋梁やトンネル設備など、広範囲な構造物の変形解析
製品の強み
・完全マーカーレス: トラッキング技術により、対象物へのマーカー貼付が一切不要。
・大型ワーク測定: トラッカーの広い視野により、巨大な対象物でも精度を落とさず計測可能。
・ダイナミックセンシング: 振動がある環境でも、トラッカーが相対位置を補正するため正確なデータが得られます。
オールインワンタイプ:EinScan Libre
PC不要、ケーブル不要。これ一台で完結するスタンドアロン・スキャナー
EinScan Libreは、本体に高性能プロセッサとタッチスクリーンを内蔵した、業界初のスタンドアロン型3Dスキャナーです。PCや電源ケーブルを持ち運ぶ必要がなく、屋外や高所、狭い現場など、あらゆる場所で自由自在なスキャンを実現します。
推奨用途
・フィールドワーク: 屋外での文化財計測、プラント設備、車両の丸ごとスキャン
・建設・建築: 階段や配管など、PCの持ち込みが困難な場所での空間キャプチャ
・デザイン・設計: 柔軟な移動が求められるスタジオや工場内での迅速なプロトタイピング
製品の強み
・完全ワイヤレス: PC接続が不要なため、作業範囲の制限がなく移動のストレスがゼロ。
・マルチモード搭載: 1台で小型部品から10mを超える大型構造物まで対応する汎用性。
・高速処理: 本体内でメッシュデータの生成まで完結し、その場でスキャン結果を確認できます。
よくある質問
最後に業務用3Dスキャナーに関するよくある質問をご紹介します。
業務用3Dスキャナーの価格は?
数十万円から数千万円と機種によって非常に幅広いです。
スキャンしたいものの大きさや精度によって、方式や光源などが異なるため幅広くなっています。
SHINING3Dはどのようなメーカーですか?
SHINING3Dは数多くある業務用スキャナーメーカーのなかでハンディスキャナーの開発に特に注力してきたメーカーです。20年以上の経験と実績から業界の信用が高いメーカーです。
業務用3Dスキャナーのデモはできますか?
全国無料デモを実施しています。ご要望に合わせてお客様先は出張訪問の上デモを実施させていただいております。ぜひお気軽にお問い合わせください!
まとめ

業務用3Dスキャナーは、ものづくりをはじめとしたさまざまな業界で、製品品質の向上、開発期間の短縮、そして新たな付加価値の創出に大きく貢献するツールです。
本コラムでは、3Dスキャナーの方式や形態の違いから、具体的な活用事例、導入時の選定ポイント、そしておすすめ機種までを幅広くご紹介しました。選定の際は、測定対象や使用環境、目的を明確にし、自社に最適な機種を選ぶことが成功の鍵となります。
導入をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。経験豊富なスタッフが、目的やご予算に合わせて最適なソリューションをご提案いたします。以下バナーから、おすすめの3Dスキャナー情報をチェックしていただけます。こちらも合わせてご覧ください。







