導入事例

鋳物の検査工程にハンディタイプの3Dスキャナを活用 従来比1/4のスピードで納期遅延を防止

写真左から 鉄工部長 磯山 純一 様 取締役 工場長 平井 達郎 様 鋳造部長 岸本 光平 様

株式会社岸本鐵工所は、岡山県津山市でFC(片状黒鉛鋳鉄)・FCD(球状黒鉛鋳鉄)などの鋳造による、ガスバルブや農機具、産業用機械部品の製造を手掛けています。精度の高い鋳物の木型・発泡型の製作から鋳造、機械加工までを一貫して行えることが、同社の強みです。


企業名:
株式会社岸本鐵工所

導入製品:
FreeScan UE Pro
Geomagic Control X

<導入前の課題>
三次元測定機による鋳物の計測・検査に時間がとられ、納期遅延につながる

<解決>
・計測スピードと精度、操作性、コストパフォーマンスの高さからFreeScan UE Proを選定
・鋳物の製造誤差をカラーマップで検査。従来比1/4の時間で完了、業務に余裕が生まれた
・今後、木型の製作やリバースエンジニアリングなどへの活用も検討したい


背景・課題

三次元測定機による鋳物の計測・検査に時間がとられ、
納期遅延につながる

―  導入前の課題を教えてください

国内での鋳造部品製造は少量多品種かつ短納期、高度なものづくりが求められます。また近年、取引先の大手メーカーから品質管理について詳細なエビデンスを求められる傾向が強まっています。鋳造はさまざまな立体形状品が製造できる一方、できたものが設計通りかどうかを計測する検査が欠かせず、計測具を用いての人手による寸法計測は、非常に労力がかかります。

そこで当社は15年ほど前に三次元測定機を導入し、品質管理に努めてきました。三次元測定機は正確でヒューマンエラーを防止できる反面、計測に1製品あたり、4~6時間かかります。鋳物に関しては、鋳造後に湯口を処理した状態の「素材」段階と、穴開けやはつり、平面出しなどの機械加工を行った「加工後」段階の2回計測を行う必要があり、その両方を1台で実施すると検査の工程が非常に混み合い、担当者の負荷が高いことに加えて、お客様への納期遅延にもつながることが課題でした。(平井様)


選定・導入

計測精度とスピード、操作性、コストパフォーマンスの高さから
FreeScan UE Proを選定

-ハンディタイプの3Dスキャナに着目された経緯を教えてください。

3Dスキャナは以前から興味があり、複数の代理店に問い合わせしました。「素材」段階の鋳物では誤差0,1mm程度の精度が求められるのですが、スキャン精度としても充分計測可能であると分かり、実際に操作感を試してみたいと各社にデモを依頼しました。(平井様)

-他社製品との比較の結果、FreeScan UE Proを選定された決め手は何でしたか?

実際に試してみて、計測制度の高さと共に従来の1/4ほどで完了するスピードに驚きました。スキャナ本体、付属のソフトウェアも含めて操作も簡単で分かりやすく、誰でも扱えることから、業務の属人化も防げると感じました。さらに、FreeScan UE Proは他社製品と比べてコストパフォーマンスが非常に高く、導入しやすい費用感であることが、最終的な決め手となりました。(岸本様)


ご活用内容・成果

鋳物の製造誤差をカラーマップで検査
従来比1/4の時間で完了、業務に余裕が生まれた

-FreeScan UE Proの活用方法と、導入後の成果を教えてください。

FreeScan UE Proで、当社が製造した鋳造物をスキャン。事前準備はマーカーのラベル貼り位置を工夫するくらいで、鋳物の複雑な形状でもスピーディーに、かつ細かなディテールまで正確にスキャンできます。(岸本様)

その後、スキャンしたデータをソフトウェアで3DCADとカラーマッピングして、製造誤差を検査します。Geomagi Control X(検査用ソフトウェア)は、機能もシンプルで直感的に操作でき、すぐに使いこなせるようになりました。導入後は従来、4~6時間ほどかかっていた検査工程が1時間ほどで終わることで、製造が混み合うタイミングでも、納期遅延がなくなりました。

また、「素材」段階のスキャンはFreeScanで現場スタッフが行い、誤差チェックを私が実施。さらに高い精度が求められる「加工後」の検査は従来通り三次元測定機で私が行う、と分業できるようになり、業務が効率化して余裕が生まれるようになりました。(磯山様)


今後の展望・当社への期待

木型の製作やリバースエンジニアリングなどへ
スキャナの活用領域拡大を検討したい

-今後に向けて、どのようなことを期待されますか。

今回導入してみて、ハンディタイプの3Dスキャナはその精度やスピード感、コスト面も含めて鋳造業界と非常に相性が良いと実感しました。製造現場は人手不足が大きな課題であり、中でも木型職人は高齢化も進み減り続けています。また、取引先の大手メーカーでは3Dデータを活用したものづくりが進められています。

そうした中、木型から鋳造、加工までを一貫して提供する当社としては今後、3Dスキャナを木型自体の製造工程や、現物を採寸して3Dで図面を起こすリバースエンジニアリングの領域などへ、活用領域を拡大できる可能性を感じています。

-最後に、当社への要望・ご期待についてお聞かせください。

日本3Dプリンターは導入に際し、問い合わせからデモへの対応、納品後のレクチャー、サポートなどで柔軟に対応いただき、感謝しています。これからも当社での新たなテクノロジーの活用を支援いただけることを期待しています。(平井様)


【FreeScan UE Pro】3Dスキャナー (製品ページへ)

計測器レベルのスキャンを可能にする、高精度3Dスキャナー。

従来機種から軽量化を図りながら、高精細なスキャニング性能と、大型対象物のスキャンデータの正確な処理も得意としています。

Geomagic Control X (製品ページへ)

3Dスキャンベースの高機能検査用ソフトウェア。

作成したCADモデルと3Dスキャンで取得した測定データを使用することで、品質管理において重要な幾何寸法公差や、視覚的に問題を把握できる偏差カラーマップを作製することが可能です。