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iPhoneの3Dスキャンの精度は?スキャンにおすすめの対象物やメリットを紹介

最新のiPhoneには対象物との距離を測定する技術である、LiDARスキャナーが搭載されています。iPhoneのLiDARスキャナーを使うことで、手軽に3Dスキャンができるため関心のある方も多いのではないでしょうか。この記事ではLiDARスキャナーの概要や搭載機種、iPhoneのLiDARスキャナーでできることやできないことについて解説します。専用のアプリを使えばiPhoneを3Dスキャナーとして活用できるでしょう。

iPhoneの3Dスキャン機能とは何か

LiDARスキャナーといっても、初めて名前を聞く方が多いかと思います。LiDARスキャナーとはiPhone12Pro以降のProグレードに搭載されているセンサーシステムです。LiDARはLight Detection And Rangingという言葉の頭文字をとった略称です。レーザー光の反射を利用して障害物や人物を検知する技術として、自動車の自動運転システムにも応用されています。このようにリアルタイムかつ高精度に撮影された空間の物の配置を把握することができる技術です。

そして、このLiDAR技術を応用して3Dスキャンを行うことができます。iOS用の3Dスキャンアプリも数多くリリースされており、中には無料で使えるものもあります。さらに位置情報機能と合わせた拡張現実への開発も盛んです。

iPhoneの3Dスキャン機能のメリット

安価

3DスキャンにiPhoneを利用した場合のメリットとして、まず一番に挙げられることは安価であることです。専用の3Dスキャナーを用意するとなると安くても十数万はするでしょう。しかし用意された3Dスキャナーでは電話も掛けられませんし、ネットで調べ物もできません。

携帯性

常に携帯していて手軽に使えるというのもメリットと考えられます。データを取得したいタイミングでいつでも取り出せてなおかつ軽量です。3Dスキャナーの場合は携帯性に優れた機種でも数㎏はあります。常に持ち運ぶのはなかなか難しいです。

iPhoneの3Dスキャンの性能

iPhoneを利用した3Dスキャンが安価で手軽に利用可能なことが分かりました。そこで気になるのは実際どこまで使える機能なのかという点です。いくつかの観点からiPhoneの3Dスキャンの性能について深掘りしてみましょう。

撮影可能範囲

iPhoneを利用した3Dスキャンはおおよそ5mが撮影範囲の限界になります。5m以上離れてしまうとスキャンを行うことができません。それ以上に広い範囲をスキャンしたい場合は、全体を撮影できるように撮影場所を変更しながら何度も繰り返し行い、撮影されたものを重ね合わせていく必要があります。重ねる際には多かれ少なかれズレが発生し、この重ね合わせの回数が多くなると元々の形状と差が大きくなってしまう原因になります。

iPhoneの3Dスキャンの精度は?

安価で手軽に使える反面、精度の観点ではあまりいいものとは呼べません。その要因としてiPhone内で処理を行う必要があるため、専用の3Dスキャナーのような高い処理能力がないことが挙げられます。細かな形状を再現するためには沢山の情報を計算する必要がありますが、iPhoneではそこまでの再現能力はありません。その他にも光源の安全性を優先しているため、精度の高いスキャンをするために必要な光量が確保できていないことも精度が劣ってしまう要因です。

iPhoneの3Dスキャンにおすすめの対象物

前述の通り、形状の再現度はあまり高くはないため、細かな形状が含まれないような、形状がはっきりしている物が適切と言えます。例えば公園の遊具や家具などのサイズ感を把握するには手軽に使えるiPhoneの3Dスキャンがもっとも活用できる場面だと言えます。また、従来は記念撮影といえば写真一択でしたが、人も撮影可能なLiDARを使えば3Dによる記念撮影を行うことも夢ではありません。風景も含めて3Dデータとして保存することで今まで以上に臨場感のある思い出作りが可能です。

iPhoneの3Dスキャンに適していない対象物

冒頭で解説があった通り、光の反射を取得して位置を把握するので、反射しづらいもの、つまりは黒色のものや透明なものが対象物として不適切です。十分な反射を受けることができず、データを作成することができません。反対に鏡のような反射が強すぎるものもデータ取得が困難で実際の対象物の位置よりもずれた場所を認識してしまいます。

3Dスキャナーとは何か

それでは3Dスキャナーの専用機とはいったいどういったものでしょうか。基本の仕組みはLiDARスキャナーと大きな違いはありません。しかし点群データの取得において、1度に取得できる点群の数が圧倒的に多いです。点群の量が多いと何が良いのかというと、まずデータ完成までの速度が早くなります。次に細かなディテールを再現できるようになります。前述の通り細かい形状再現には沢山の点群が必要で、それらを計算するためには専用の機器と、最適なパソコンが必須です。また機種によっては数mの範囲を1度に取得できるものもあり、価格と手軽さの観点以外では専用の3Dスキャナーが劣る点は無いと言えます。

関連リンク:3Dスキャナーとは?

3Dスキャナーを活用するために必要なソフト

iPhoneで取得した場合でも、専用の3Dスキャナーで取得した場合でも、3Dデータの活用には別途ソフトウェアが必要になることがほとんどです。3Dスキャナーはあくまでデータ取得をするための機器であり、取得したデータの活用は用途に合わせて最適なソフトウェアを選定する必要があります。

関連リンク:3Dスキャナーを活用するために必要なソフトとは?

3Dスキャナーを導入するなら

iPhoneのLiDARスキャナーでは難しいデータ取得も、専用の3Dスキャナーであれば問題なくスキャン可能です。3Dスキャナーの活躍の場は多く、製造品の検査や計測、リバースエンジニアリング、デジタルアーカイブなど、様々な用途があります。検査や計測、リバースエンジニアリング用途の3Dスキャナーの導入をご検討中の方は、数多くのラインナップがあるShining3D社製スキャナーがおすすめです。下記お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。豊富な知見で、お客様に最適なソリューションをご案内いたします。

まとめ

iPhoneのLiDARスキャナーのご紹介と専用機器との比較をご覧いただきました。LiDARスキャナーが搭載されたiPhoneを持っていれば、この記事を読んだこの時から使い始めることができる手軽さはとても魅力的です。しかしながらビジネスシーンを含めてデータの精度を求めるのであればやはり3Dスキャナーには及ばないこともご理解いただけたかと思います。目的に合わせて適切な機材を利用することが最も重要です。


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著者:日本3Dプリンター株式会社 技術部

さまざまな3Dデジタルソリューションを提案する日本3Dプリンター株式会社技術メンバーです。
3Dプリンター/3Dスキャナーのエキスパートとして、皆様に有益な情報を発信していきます。

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